「模試では解けたのに、本番で頭が真っ白になった」
「勉強したはずのことが思い出せなかった」
受験や資格試験を経験した人なら、一度は味わったことがあるのではないでしょうか。これは単なる「気のせい」ではなく、脳の仕組みと深く関係しています。
本記事では、試験本番で頭が真っ白になる原因を脳科学の視点から解説し、さらに「どうすれば防げるのか」という実践的な対策まで詳しく紹介します。
1. 「頭が真っ白になる」とは何が起きているのか?
人が「頭が真っ白になった」と感じるとき、実際には脳の記憶や思考の回路が一時的にうまく働かなくなっています。
その原因は、脳の「扁桃体(へんとうたい)」と呼ばれる部位の過剰反応です。扁桃体は恐怖や不安といった感情を司り、危険を察知すると全身を「戦うか逃げるかモード(fight-or-flight)」に切り替えます。
このとき脳は「冷静に考えること」よりも「生き延びること」を優先するため、前頭前野(考える・判断する領域)の働きが抑えられてしまいます。その結果、記憶の引き出しが開かなくなり、思考が停止したように感じるのです。
2. 脳科学で見る「試験本番の緊張」
(1) 自律神経の働き
試験本番では「失敗したらどうしよう」という思考がストレス反応を引き起こし、自律神経のうち交感神経が優位になります。
- 心拍数の上昇
- 呼吸の浅さ
- 手の震えや発汗
これらはすべて交感神経が働いているサイン。脳に十分な酸素が行き渡らなくなると、冷静な判断力が落ち、記憶を取り出す力も低下します。
(2) コルチゾールの影響
ストレス時には「コルチゾール」というホルモンが分泌されます。短期的には集中力を高めますが、過剰になると逆効果。海馬(記憶の司令塔)や前頭前野の働きを妨げ、学んだことを思い出せなくなります。
(3) 扁桃体ハイジャック
心理学では「扁桃体ハイジャック」という現象が知られています。強い恐怖や不安が扁桃体を過剰に刺激すると、前頭前野が“乗っ取られる”ように働かなくなります。試験中に頭が真っ白になるのは、この扁桃体ハイジャックの典型例なのです。
3. 「頭が真っ白」になりやすい人の特徴
- 完璧主義タイプ
「一問でも間違えたら終わり」と考える人は、緊張が高まりやすい。 - 失敗経験に強くとらわれる人
過去の失敗を思い出し、「また同じことになるのでは」と恐れることで扁桃体が反応しやすくなります。 - 準備不足の不安がある人
十分に勉強していないと自覚していると、試験直前に強いストレスを感じ、思考停止に陥りやすい。
4. 脳科学に基づく「頭が真っ白」対策
では、どうすれば本番で脳がうまく働くのでしょうか?
脳科学の知見から有効とされる方法を紹介します。
(1) 呼吸法で自律神経を整える
浅い呼吸は脳の働きを妨げます。試験直前には「4秒吸う → 4秒止める → 8秒吐く」という腹式呼吸がおすすめ。副交感神経が働き、扁桃体の暴走を抑えられます。
(2) メンタルリハーサル
実際の試験会場をイメージしながら、問題を解いている自分を想像する「メンタルリハーサル」は、脳に「本番の緊張に慣れた状態」を刷り込むことができます。アスリートも活用する科学的手法です。
(3) ポジティブな自己暗示
「落ちたらどうしよう」よりも「解ける問題からやればいい」と声をかけるだけで、扁桃体の過剰反応を防げます。前向きな言葉は前頭前野を活性化させます。
(4) 睡眠と記憶の関係
試験前日の徹夜は厳禁。睡眠中に海馬が記憶を整理するため、睡眠不足は記憶の検索効率を大きく下げます。
(5) 実戦形式の練習
模試や過去問を「制限時間付き」で解くことは、脳にとって「試験本番のシミュレーション」。回数を重ねるほど、扁桃体は「これは危険ではない」と認識し、緊張が和らぎます。
5. 「頭が真っ白」を克服した実例
ある東大合格者の体験談では、模試のたびに極度の緊張で空白を連発していたそうです。しかし、本番を想定した環境で何度も過去問演習を行い、さらに試験直前に深呼吸ルーティンを取り入れたことで、頭が真っ白になる回数が激減したとのこと。
脳は「慣れ」によって反応を変えるため、練習次第で大きく改善できるのです。
6. まとめ
- 試験本番で頭が真っ白になるのは、脳の扁桃体が過剰に反応し、前頭前野や海馬の働きが抑制されるから。
- 自律神経やストレスホルモン(コルチゾール)が影響し、思考や記憶の検索が妨げられる。
- 呼吸法、メンタルリハーサル、ポジティブな自己暗示、十分な睡眠、実戦練習などで改善可能。
つまり、「頭が真っ白になる」のは意志が弱いせいではなく、脳の自然な反応です。
そして、その反応は脳科学に基づいた方法でコントロールできるのです。
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