令和8年度の大学入学共通テストでは、障害や病気、発達障害などの理由により通常の試験環境での受験が困難な方に対して、「受験上の配慮」が用意されています。
この制度は、2016年に施行された「障害者差別解消法」に基づき、すべての受験生が公平に力を発揮できるようにするための取り組みです。特に、国公立大学を含む公的機関では「合理的配慮の提供」が義務化されています。
本記事では、受験上の配慮の具体例や、申請手続きについて、わかりやすく解説します。
合理的配慮とは?
「合理的配慮」とは、障害のある受験生が、障害のない人と同じように受験に臨むことができるように、その特性や困りごとに応じて試験環境を調整することです。
たとえば、聴覚に困難がある人に音声テストの方法を工夫したり、集中が難しい人に個別の部屋で受験してもらうなど、状況に応じた対応が行われます。
申請できる対象者の例
- 視覚障害
- 聴覚障害
- 肢体不自由
- 病弱(継続的に医療や生活規制を必要とする状態)
- 発達障害(学習障害・ADHD・自閉スペクトラム症など)
申請スケジュールと審査結果通知
■ 第1期申請期間
- 令和7年7月1日(火)〜8月29日(金)必着
(※8月27日(水)消印有効) - 審査結果:9月22日(月)までに通知
■ 第2期申請期間
- 令和7年9月1日(月)〜10月3日(金)必着
(※10月1日(水)消印有効) - 審査結果:11月下旬に通知予定
申請の流れ(手順)
- 学校に相談する
配慮を受けたい旨を、担任や進路指導の先生に伝えます。 - 診断書をもらう
医療機関での受診が必要です。診断書は審査資料になります。 - 大学入試センターの資料をダウンロード
大学入試センター公式サイトで、合理的配慮に関する様式を入手します。 - 希望する配慮内容を決定
医師・学校と相談して、必要な配慮内容を明確にします。
受験上の配慮の具体例
以下のような支援が受けられます(※内容により審査があります)。
■ 試験環境の調整
- 別室での受験(少人数室・個室)
- 座席位置の調整(空調・日光・照明など)
- 車椅子や特製机・椅子の使用
- 座席を周囲の受験者と間隔を空けて指定
■ 試験時間中の配慮
- 水分補給・補食・薬の服用
- ストレッチ・姿勢変更・立っての受験
- 壁にもたれた状態、床や横になっての受験
■ 持参できる補助具
- イヤーマフ・耳栓・デジタル耳栓
- 色シート・遮光眼鏡・定規・ホワイトボード
- 拡大読書器・読書補助具・書字補助具・置時計
■ 監督者等への配慮依頼
- 時間の口頭伝達
- 冊子のページめくり補助
- リスニング機器操作の補助
- 途中退室時の音声停止(リスニング)
- 監督者との距離の確保・背後に立たない配慮
時間延長の例
- 試験時間の1.5倍延長
- 科目単位での時間延長申請
- リスニング試験のみ1.3倍延長希望
※時間延長が認められた場合でも、審査結果によっては一部のみ許可されることもあります。
まとめ:早めの準備がカギ
合理的配慮の申請には、診断書の取得や学校との連携、申請書類の準備が必要です。時間に余裕をもって準備を進めましょう。
特に第1期(令和7年7月〜8月)での申請は、早めの審査結果通知が得られるメリットがあります。少しでも配慮を受ける可能性があると感じたら、早めに学校や医師に相談してください。
すべての受験生が、安心して本番に臨めるように。合理的配慮は、そのための大切な仕組みです。
必要な資料のダウンロードや詳細については、大学入試センター公式サイトをご確認ください。
また、東大二次試験でも、合理的配慮が受けられます。詳細については東京大学の入学者選抜要項をご確認ください。(以下は令和7年度のものです)
東京大学 令和7年度 入学者選抜要項





