東京大学の大きな特徴といえば「進学選択(進振り)」ですが、実はその後にも大きな振り分けが待っています。それが「研究室振り分け(通称:研振り)」です。
進振りを乗り越えて学科に進学した学生たちは、3年の終わり頃に「どの研究室に所属するか」を決める段階に入ります。大学生活後半や大学院での研究、さらには就職活動にも直結するため、研振りは東大生にとって大きな分岐点のひとつです。
本記事では、研振りの仕組みや実際の選考方法、息子の体験談を交えたリアルな様子をお伝えします。
研振りとは?進振りとの違い
まず整理しておきたいのが「進振り」と「研振り」の違いです。
- 進振り(2年後期)
成績を中心に、学部・学科を決める制度。東大独自の仕組みで、多くの学生がここで「自分の進む学問分野」を選びます。 - 研振り(3年末頃)
学科に進学した学生が、どの研究室に配属されるかを決める制度。卒論や修士研究を行う場であり、将来の進路に大きく影響します。
進振りは「学科を決める」仕組み、研振りは「研究テーマや指導教員を決める」仕組み、と言えば分かりやすいでしょう。
研究室ごとに異なる選考方法
研振りの難しさは「研究室によって選考基準や配属の仕組みが異なる」ことにあります。
例えば、
- 成績順で決まる研究室
→ 2年生から3年生までの成績順で、希望が通る。 - 面接を重視する研究室
→ 枠の一部は成績、残りは研究計画や熱意を面接で判断。 - 推薦方式に近い研究室
→ 研究内容に強く関心を持つ学生を優先。
まずは「仮調査」が行われ、各研究室ごとに志望人数が公開されます。その後、学生は改めて第一希望を提出。人気の研究室は定員を大幅に超えるため、最終的には成績や面接で決まります。
電子情報工学科の研振りシステム
息子が在籍している電子情報工学科では、希望する研究室を希望順に10位程度まで登録し、その中で成績順に希望が通る方式が採られていました。
情報系は進振りでも人気の学科のひとつ。息子も進振りの際は「どうしても情報系に進みたい」と強く思い、そのために成績を取る努力をしていました。
しかし、いざ電子情報工学科に進学してからは「絶対に入りたい研究室」があったわけではなく、成績へのこだわりも以前ほど強くありませんでした。その結果、第5希望あたりの研究室に配属されることになりました。
研究室配属後の温度差
息子の研究室には、同級生があと2人います。彼らは「この研究室に入りたい」という強い希望を持ってやってきた学生たちで、とても優秀とのこと。
一方で、息子は「特別行きたい研究室ではなかった」ため、モチベーションに温度差があるようです。東大生といえど、全員が研究に全力投球というわけではなく、それぞれのスタンスがあるのが実情です。
ただし、これは決してマイナスなことではありません。大学生活の中で研究テーマへの向き合い方が変わる学生も多く、息子のように「やりたいことを模索する時期」として研究室生活を送るケースもあるのです。
大学院進学と研究の継続
東大生の多くは大学院に進学します。研究室配属後にそのまま大学院へ進む学生も多く、実際に息子の同級生の2人は「今の研究を大学院でも続ける」と決めていました。
一方で息子は「同じ情報系の中でも、少し違う分野の研究室」に進むことになりました。研究室を変えることは珍しいことではなく、むしろ「学部では幅広く経験し、院で専門を深める」という学生も少なくありません。
研振りを控える学生へのアドバイス
ここまでの流れを踏まえて、これから研振りを迎える学生に向けてポイントをまとめます。
- 成績は依然として重要
特に人気研究室を狙う場合、2〜3年生の成績が大きく影響します。 - 志望理由を持つこと
面接重視の研究室では「なぜこの研究室なのか」が問われます。研究テーマへの関心を持つことが大切です。 - 柔軟に考えること
第一希望に入れなくても、その後の大学院で研究分野を変えることは可能です。 - 情報収集を怠らないこと
研究室によってルールや雰囲気は大きく異なります。先輩の体験談や仮調査の結果を参考にしましょう。
まとめ
進振りを経て学科に進学しても、東大生にはもうひとつの大きな節目「研振り」が待っています。研究室ごとの選考方法はバラバラで、成績、面接、志望理由など複数の要素が絡み合います。
息子の場合は第5希望の研究室に配属されましたが、同級生の中には第一希望で熱意を持って研究に取り組む人もいました。大学院進学時に研究分野を変えることもできるため、「今の研究室がすべてではない」という柔軟な考え方も重要だと感じます。
東大を目指す方、進振りを終えたばかりの方にとって、研振りは避けて通れない現実です。本記事が少しでも参考になれば幸いです。


