東大は「個性」が生きる場所 〜母として見てきた息子の歩み〜

受験
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息子は小さい頃から、周囲とはどこか違っていました。勉強ができるとか、そういうことではありません。親の私から見ても、ちょっと個性的な子だと思っていました。

どんなところが?例えば幼稚園で孫悟空の恰好をしてダンスを踊り、最後は如意棒(にょいぼう)を高く振り上げて決めポーズをして静止して終わるという出し物があったのですが、息子は決めポーズのところで、一人だけ、如意棒を太鼓のばちに見立てて、床をリズムよく叩き続けていました。周りのみんなは静止している中で、一人だけ動いているという状況です。

また、こんなこともありました。幼稚園の歌の発表会で、舞台の上で歌いながら、最初から最後までずっと手首をパタパタと動かしているのです。周りのみんなは、手を後ろで組んで歌っています。家に帰って来てから、どうしてそんなことをしていたのか息子に確認すると、「だって、ひとがいっぱいいて嫌だったから。」と。手首の動きは、観客席の保護者の方々を、シッシッと追い払っていたようです。恥ずかしさから出た行動のようです。

参観日の日には、先生が一人ずつ園児の名前を呼んでいくと、周りのみんなは、「ハイっ!」と手を上げます。息子の番になって、名前が呼ばれると、「ハイっ!」と言いながら、でんぐり返りをしたのです。保護者の方々から、笑いが起こりました。私は、ちょっと恥ずかしかったです。

このように、「ちょっと変わってる。」「なんか目立つ。」と感じる機会が多かったです。

小学校でも「ちょっと変わってるね。」と言われることが多かったです。

そんな息子が選んだのが、東京大学でした。

正直、東大受験は親としても心配でした。でも、彼なりに自分のやり方を貫き、好きな教科はとことん深掘りし、苦手なところは独自のやり方で克服していきました。合格を知ったときは、本人以上に私が驚いたかもしれません。

そして、東大に入ってからの息子の様子を見て、私ははじめて心から安心することができました。

東大には、本当にいろんな学生がいます。一見して「えっ?」と思うようなことに夢中になっている人、突拍子もない発言をする人、服装も言動も自由そのものの人。でも、それを笑ったり排除したりする空気はありません。むしろ、「面白い」「それ、もっと聞かせて!」と、個性に興味をもってくれる仲間がたくさんいるのです。

息子がある日こう言いました。

「東大って、変わった人がいっぱいいるから、むしろ自分が普通に思えるんだよ」

「変だ」「浮いている」「普通じゃない」――そんな風に思われてきた息子が、いまや自分の個性を肯定され、受け入れられている場所にいる。しかも、それがただの“寛容”ではなく、「面白い」として歓迎されている。これは親として、これ以上ない喜びです。

もちろん、東大生といってもみんなが完璧ではありません。迷ったり悩んだり、時には落ち込むこともあります。でも、支え合える仲間がいること、自分らしくいられる場所があること。それが、何よりも大切なのだと感じています。

個性があるゆえに、これまで生きづらさを感じてきた子どもたち。もしかしたら、まわりから「ちょっと変わってるね」と言われ続けてきたかもしれません。でも、そんな子こそ、東大という場所に馴染める可能性があります。むしろ、その「変さ」こそが武器になる環境なのです。

東大は、偏差値だけでは測れない「面白さ」や「独自性」を持つ人たちが集まる場所。そこには、常識にとらわれない思考、誰にも真似できない感性を持った人たちが、のびのびと暮らしています。そして、そんな彼らを、ちゃんと尊重し合える文化がある。

私は、母として今、心から思います。
「息子が東大を選んで本当によかった」と。

これから受験を考えているご家庭の中には、「うちの子はちょっと変わっているから、合わないんじゃないか」と思う方もいらっしゃるかもしれません。でも、どうかそう思わないでください。東大は、むしろそんな個性を歓迎してくれる場所です。自分を無理に変える必要はありません。大事なのは、自分の「好き」を信じて、深めていくこと。そして、諦めずに前に進むこと。

息子の姿を通して、私はそれを強く感じています。


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