息子が東京大学に合格したとき、私は心の底から「よくここまで頑張ったね」と伝えました。子どもが東大生になる、という出来事は、たしかに人生の中でも大きな節目の一つでした。けれど、それは単なる「合格」の喜びではなく、親としてこれまで見守ってきた歩みの延長線にある、深くて静かな感動でした。
今回は、「子どもが東大生になって、よかったこと」をテーマに、親の視点から感じたこと、考えたことを綴ってみようと思います。
1. 子どもが“自分で考えて動ける人”に育った実感
東大合格は、結果にすぎません。それ以上に嬉しかったのは、息子が「自分で考え、自分で選び、自分の力で道を切り開ける人間に育った」と実感できたことです。
高校時代、息子を塾に通わせることもありましたが、最終的に勉強の計画も教材選びも、ほとんど自分で決めて進めていました。親が細かく口出しすることはほとんどなく、むしろ「どうするか?」を常に息子が問い、自分なりの答えを出していく。その姿勢に成長を感じました。
合格発表の日、息子が言った一言が印象的でした。
「受かったことも嬉しいけど、ここまで頑張れた自分がちょっと好きになれた」
その言葉が、すべてを物語っている気がします。
2. 学びに向かう姿勢が、家族全体に影響を与えた
子どもが東大を目指すようになると、自然と「学び」が日常の中心になります。これは決して「勉強だけの家庭」になるということではありません。むしろ、「なぜ勉強するのか?」「何のために学ぶのか?」という本質的な問いを、親子で共有する時間が増えました。
例えば、ニュースで気になる話題があると、リビングで自然とディスカッションが始まる。「その背景には何があるのか?」「他国ではどうなのか?」といった会話を通して、親の私も多くのことを学ばされました。
東大生という肩書きの影響ではなく、そのプロセスで培った「考える力」「疑問を持つ姿勢」が、家庭全体に知的な空気をもたらしてくれたのです。
3. 親として「信じ抜くこと」の大切さを学べた
受験期は、当然ながら不安もありました。模試の判定が悪いときもありましたし、「本当にこのままで大丈夫かな?」と心配になる事もありました。
でも私は、息子のことを一度も責めませんでした。焦らせることも、無理に詰め込ませることもなかったです。「自分を信じなさい」と伝えるだけでした。そして何より、私が彼を信じ続けました。
この経験は、親として大きな学びでした。
子育てとは、言い換えれば「信じることの訓練」だと思います。信じて見守る。見守るけれど、干渉しすぎない。そのバランスの中で、子どもは自分で育っていく。
東大に合格したからこそ、その「信じることの価値」をより深く実感することができました。
4. 子どもが出会う“人”の質が圧倒的に高い
東大には、全国・全世界から本当に多様な背景を持った、優秀で好奇心旺盛な学生たちが集まってきます。入学後の息子の話を聞いていて、一番驚いたのは、「こんなすごい人がいるのか」と思えるような仲間との出会いの数々でした。
知識量がすごい人、発想が独特な人、社会課題に本気で取り組んでいる人。そうした仲間たちと日々議論し、学び合う環境があることは、何よりの財産です。
親としては、子どもがどんな場所でどんな人たちと時間を過ごしているのかが気になります。でも東大なら、その点は安心して任せられます。「刺激を与えてくれる人たちと過ごせる環境にいる」という事実こそ、最大の価値だと感じています。
5. 合格がゴールではなく、「生きる力」の出発点に
東大合格は、通過点です。むしろ、「ここから何をするのか?」が問われるのが、東大生という立場です。
息子も、「東大に入ることが目的ではなく、ここから自分が社会にどう関わるかを考えていきたい」と話しています。その言葉を聞いて、「あぁ、もう大人になったんだな」と感じました。
このように、“その先”を自然と見据えられるようになったことこそ、本当の意味での「よかったこと」かもしれません。
最後に:すべての親御さんに伝えたいこと
「うちの子には無理」「東大なんて別世界」と思ってしまう方も多いかもしれません。でも私は、「子どもが自分を信じられるように、まず親が信じること」からすべては始まると信じています。
東大生という看板以上に、「自分の人生を自分で切り開く力」を育むこと。そのプロセスの中にこそ、子育ての醍醐味があります。
これからも、息子の人生を静かに、そして誇らしく見守っていきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
東大VS京大どちらも魅力的な大学です!!


